「偽抹茶」に注意:本物の抹茶を見分ける方法
監修:株式会社 脇本常香園(宇治茶製造卸・京都)
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結論から言うと、見分ける鍵は、原材料、色、香り、粒子の細かさ、そして用途に合った表示を見ることです。いくつかのポイントを知っておくと、はじめての方でも落ち着いて選べます。
「偽抹茶」とは、何を指すのでしょうか?
少し強い言葉ですが、「偽抹茶」と呼ばれるものにはいくつかの種類があります。たとえば、抹茶ではなく粉末緑茶を抹茶のように見せているもの、砂糖や乳成分が多いラテ用ミックス、香料や着色料で風味や色を補っているものです。
もちろん、ラテミックス自体が悪いわけではありません。甘く飲みたい日には便利です。ただ、あなたが「純粋な抹茶」を探しているなら、別の商品として見分ける必要があります。
購入前に見るべきいちばん大切な表示は?
原材料がシンプルかを確認します
まずはパッケージの原材料欄を見てみてください。純粋な抹茶を選びたい場合、基本は茶由来の原材料のみです。
一方で、砂糖、脱脂粉乳、香料、着色料などが入っていれば、それは抹茶そのものではなく、抹茶風味のミックスや加工品である可能性があります。用途に合っていれば問題ありませんが、点てて飲む抹茶を探しているときは注意しましょう。
「粉末緑茶」と「抹茶」は同じではありません
抹茶は、覆いをして育てた茶葉を原料とする碾茶を、細かな粉にしたものです。粉末緑茶には、煎茶のほか、秋に摘んだ茶葉からつくる秋碾茶や、茶葉を揉んで乾燥させた「モガ」などを原料にするものもあり、味わいも飲み方も変わります。
『お抹茶のすべて』によれば、原料取引では「加工用抹茶」と区別される粉末でも、最終商品の原材料欄では「抹茶」と表示される場合があります。そのため、原材料名だけで決めつけず、商品名、用途、販売者の説明まで合わせて確認するのが安心です。
粉末緑茶は食物繊維まで摂れる便利なお茶ですが、抹茶特有のやわらかな旨みや、点てたときの質感を期待すると違いを感じるかもしれません。
色と香りで、どこまで判断できますか?
上質な抹茶は、鮮やかで自然な緑色をしています。ただし、写真や照明だけでは判断しきれません。実物では、黄色っぽさや茶色っぽさが強いものは、保管状態や鮮度を一度疑ってみてもよいでしょう。
香りは、青々しさ、やわらかな甘み、穏やかな海苔のようなニュアンスが手がかりになります。強すぎる香料のような香り、古い油のようなにおい、湿った段ボールのようなにおいがある場合は、無理に飲み続けないでください。
開封後に確かめたい質感と味わい
本物の抹茶は、きめ細かい粉であるほど水や湯になじみやすく、口あたりもなめらかに感じられます。反対に、ざらつきが強い、沈みやすい、ダマがほどけにくい場合は、粒子の粗さや保管時の湿気が関係していることがあります。
味わいでは、苦みだけが強く残るものより、旨み、渋み、苦みのバランスを見てみてください。はじめての方ほど「苦くないこと」だけに注目しがちですが、余韻がきれいかどうかも大切です。
選び方をもう少し順番に確認したい方は、抹茶の選び方チェックリストも参考にしてみてください。
価格が安すぎる抹茶は避けるべきですか?
価格だけで本物かどうかは決められません。ただ、抹茶は栽培、加工、粉砕、保管に手間がかかるお茶です。極端に安いものは、粉末緑茶、ブレンド用、製菓用、ミックス粉の可能性を確認してみると安心です。
大切なのは、価格と用途が合っていることです。毎日のラテ、薄茶として点てる一服、お菓子づくりでは、向いている抹茶が少しずつ違います。グレードの考え方は、抹茶のグレードの違いで整理しています。
失敗しにくいチェックリスト
迷ったときは、購入前に次の点を見てみてください。
- 原材料が、求める用途に合っているか
- 粉末緑茶、ラテミックス、純抹茶の違いが明記されているか
- 色が不自然にくすんでいないか
- 香料や着色料で風味を補っていないか
- 保管方法や賞味期限がわかりやすく示されているか
ICHIZENの抹茶は、京都・宇治の抹茶として、脇本常香園が選定・精製に携わっています。粉砕は、均一できめ細かな粉に整えるための機械挽きです。派手な言葉よりも、毎日の一服でわかる自然な香りと飲み心地を大切にしています。
本物を選ぶために、最後に覚えておきたいこと
「本物の抹茶かどうか」は、ひとつの特徴だけで判断するより、表示、色、香り、質感、用途を合わせて見るほうが確かです。
あなたが欲しいのは、点てて飲む一服でしょうか。それとも、ミルクと合わせる一杯でしょうか。目的がはっきりすると、必要な抹茶も自然に見えてきます。焦らず、まずは原材料欄から確認してみてください。
よくある質問
抹茶と粉末緑茶はどう違いますか?
抹茶は碾茶を細かく粉にしたお茶です。粉末緑茶には煎茶、秋碾茶、揉んで乾燥させたモガなどを粉にしたものがあり、香り、旨み、口あたりに違いがあります。
ラテ用の抹茶ミックスは偽物ですか?
ラテ用ミックスは砂糖や乳成分を含む加工品で、用途が違うだけです。純粋な抹茶を探している場合は、原材料欄で添加物や甘味の有無を確認しましょう。
色が鮮やかなら本物の抹茶ですか?
鮮やかな緑は手がかりになりますが、色だけでは判断できません。原材料、香り、粉の細かさ、保管状態も合わせて見ると、より失敗しにくくなります。
開封後の抹茶はどう保存すればよいですか?
湿気、光、熱、においを避け、密閉して冷暗所または冷蔵で保管し、およそ1か月を目安に使い切ります。冷蔵庫から出した直後は、結露を避けるため少し室温に戻してから開けると安心です。
参考文献
- 桑原秀樹『増補改訂 宇治抹茶問屋4代目が教える お抹茶のすべて』誠文堂新光社、2019年、p.012–013、p.017
Column
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