抹茶の香りはどこから生まれる?「覆い香」「焙炉香」「臼挽き香」

抹茶の香りはどこから生まれる?「覆い香」「焙炉香」「臼挽き香」

公開日:更新日:

こんにちは、ICHIZENです。抹茶を飲んだときに、ふと青のりのような、若い海苔のような香りを感じたことはありませんか。

その独特の香りは、偶然ではなく、茶葉の育ち方、乾燥・火入れ、そして挽く工程が重なって生まれます。今日は「抹茶 香り」を見るうえで知っておきたい、覆い香・焙炉香・挽き香について、やさしく整理してみます。

青のりのような香りの正体は?

抹茶らしい香りの中心にあるのが「覆い香(おおいか)」です。これは、茶葉を日光から一定期間おおって育てる、覆下栽培によって感じやすくなる香りの印象です。

海苔や青のりを思わせる香りには、ジメチルスルフィド(DMS)などの成分が関わるとされます。はじめての方ほど「お茶なのに海の香りがする」と不思議に感じるかもしれませんが、上質な抹茶の個性として大切にされてきた香りです。

ただし、香りが強ければよい、というものでもありません。うまみ、青さ、火の入り方、粉のきめ細かさが調和していると、香りは落ち着いて、あと口まできれいに続きます。

抹茶の香りをつくる三つの要素

1. 覆い香:育て方から生まれる青く甘い香り

抹茶の原料となる碾茶は、収穫前に茶園をおおって育てられます。光をやわらげることで、茶葉の色、うまみ、香りの出方が変わります。

あなたが「抹茶らしい」と感じる、青く、少し甘みを含んだ香りは、この覆い香に支えられています。

2. 焙炉香:乾燥と火入れが整える香り

摘んだ茶葉は蒸したあと、揉まずに乾燥され、碾茶になります。この乾燥や火入れの工程で生まれる香りが「焙炉香(ほいろか)」です。

焙炉香は、焦げた香りではありません。青い香りを整え、やわらかな甘みや香ばしさの輪郭をつくる役割があります。強すぎると抹茶の繊細さを隠してしまうため、ここには職人の見極めが出ます。

3. 挽き香:粉になる瞬間に立つ新鮮な香り

「臼挽き香」という言葉は、碾茶を細かく挽くときに立ちのぼる、ふわりとした新鮮な香りを指す文脈で使われます。伝統的には石臼で語られることが多い言葉です。

一方で、現代の抹茶づくりでは挽く方法はさまざまです。ICHIZENの抹茶は石臼ではなく、超微細で均一な粉になるよう機械で挽いています。大切なのは、香りを損ないにくく、口当たりがなめらかになる粒度へ丁寧に整えることです。

香りのよい抹茶と、弱く感じる抹茶の違い

香りのよい抹茶は、袋を開けた瞬間だけでなく、湯を注いだあとにも香りが立ち、飲み終えたあとに青さとうまみの余韻が残ります。

反対に、香りが弱く感じるときは、もともとの原料だけでなく、保管や点て方が影響していることもあります。

  • 高温多湿や光に長く触れている
  • 開封後、空気に触れる時間が長い
  • 熱すぎる湯で、香りより渋みが前に出ている
  • 料理用の抹茶を、そのまま薄茶として飲んでいる

ご家庭では、開封後はしっかり密封し、冷暗所で保管しながら、できれば1〜2か月を目安に使い切ると香りを楽しみやすくなります。冷蔵庫で保管した場合は、取り出してすぐ開けると結露しやすいので、少し室温になじませてから開封してください。

香りを楽しむための選び方と点て方

香りを重視するなら、用途に合った抹茶を選ぶことが大切です。薄茶でそのまま飲むなら、色の鮮やかさだけでなく、青さ、うまみ、後味のきれいさを見てみてください。

ICHIZENでは、京都・宇治の抹茶を、京都・井手町の茶問屋・脇本常香園が選定し、精製しています。茶審査技術の知見をもとに、香り、味、口当たりのバランスを見ながら整えています。

飲み比べて香りの違いを見たいときは、抹茶の一覧から用途に近いものを選んでみてください。点てる温度や混ぜ方で香りの立ち方も変わるため、基本は抹茶のおいしい点て方も参考になります。

抹茶の香りは、ひとつの成分だけで決まるものではありません。覆い香、焙炉香、挽くことで立つ香りが重なり、あなたの一碗の印象をつくっています。次に抹茶を開けるときは、まず一呼吸おいて、立ちのぼる香りをゆっくり確かめてみてください。

よくある質問

抹茶が青のりのように香るのはなぜですか?

抹茶特有の青のりのような香りは、覆下栽培で育った茶葉に感じやすい「覆い香」によるものです。DMSなどの成分が関わるとされ、抹茶らしい個性の一つです。

香りのよい抹茶はどう選べばいいですか?

薄茶で飲むなら、鮮やかな緑色だけでなく、青く甘い香り、うまみ、後味のきれいさを見ると選びやすくなります。用途に合う等級を選ぶことも大切です。

開封後の抹茶の香りを保つには?

開封後は空気・光・湿気を避け、しっかり密封して冷暗所で保管します。冷蔵保存した場合は、結露を防ぐため少し室温になじませてから開けると安心です。

抹茶の香りが弱いと品質が悪いですか?

香りの弱さは品質だけでなく、開封後の時間、保管環境、湯温、点て方でも起こります。まずは保存状態と湯の温度を見直すと、印象が変わることがあります。

Column

関連記事

セレモニアルグレードの抹茶をまとめて買う前に:表示からわかること・わからないこと
2026.10.27business

セレモニアルグレードの抹茶をまとめて買う前に:表示からわかること・わからないこと

海外の業務用抹茶でよく見る「セレモニアルグレード」という表示からわかること・わからないことと、まとめ買いのときに確かめられる情報で比べる方法をご紹介します。

続きを読む →
日本から抹茶を輸入するには?サンプル・取引条件・輸送・通関の進め方
2026.10.27business

日本から抹茶を輸入するには?サンプル・取引条件・輸送・通関の進め方

海外で日本の抹茶を輸入したい方へ。サンプル、取引条件、鮮度を考えた輸送、届け先の国の輸入ルール、到着後の保管まで、最初の注文前に準備したいことを整理しました。

続きを読む →
キッチンカーで抹茶ラテを出すには?メニュー・道具・開業前の準備
2026.10.26business

キッチンカーで抹茶ラテを出すには?メニュー・道具・開業前の準備

キッチンカーで抹茶ラテを出したい方へ。メニューの絞り方、限られたスペースで使いやすい道具、営業許可などの手続き、材料の保管までを整理しました。

続きを読む →
ブログに戻る