抹茶茶碗(Chawan)の選び方|サイズ・形・素材を比較
監修:株式会社 脇本常香園(宇治茶製造卸・京都)
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こんにちは、ICHIZENです。はじめて抹茶を点てようとすると、「家にあるマグカップでよいのか、抹茶茶碗を用意したほうがよいのか」と迷いますよね。
結論からいうと、最初の一碗は、口が広く、内側の底にゆるやかな丸みがあり、手に持って落ち着くものが扱いやすいです。高価な茶碗である必要はありません。サイズ・形・素材の相性を見ていくと、あなたに合う一碗が選びやすくなります。
抹茶茶碗(chawan)はマグカップと何が違う?
chawanは、日本語の「茶碗」をローマ字で表した言葉です。ご飯茶碗を指すこともありますが、抹茶の文脈では、茶筅で抹茶を点て、そのまま飲むための器を意味します。
マグカップとの違いは、口径の広さと内側の形です。マグは飲み物を入れるには便利ですが、内側が狭かったり、底の角が強かったりすると、茶筅の穂先が当たりやすく、抹茶が底に残りやすくなります。
先に点て方の全体像を見ておきたい方は、抹茶の点て方を紹介した記事も合わせて読んでみてください。器を選ぶ理由が、少し具体的に見えてきます。
初めてでも扱いやすいサイズは?
家庭で薄茶を点てるなら、目安は口径11〜13cmほど、高さ7〜8cmほどです。抹茶と湯を入れたあとも、茶筅を前後に振る余白が残りやすく、手に持ったときにも安定します。
小さすぎる器は茶筅が窮屈になり、大きすぎる器は湯量が少ないと茶筅が安定しにくいことがあります。はじめての方ほど、見た目だけでなく「手のひらに合うか」「重すぎないか」も確かめてみてください。
茶道裏千家教授・竹田理絵さんの『教養としての茶道』でも、茶碗は手のひらに合う大きさと重さを選ぶこと、また底が広いと茶筅を振りやすく、きめ細かな泡が立ちやすいことが説明されています。
底は平らすぎず、角が立ちすぎないものを
内側の底は、完全に平らなものより、ゆるやかに丸みがあるものが扱いやすいです。茶筅の穂先が自然に動き、抹茶が角にたまりにくくなります。
反対に、底が極端に狭い器や、底の角が鋭いカップは、最初の一碗としては少し難しく感じるかもしれません。
形はどう選ぶ?季節と使い心地で見る
抹茶茶碗には、深めのもの、浅く口が広いもの、筒形に近いものなどがあります。茶の湯では流派や茶席の趣向によって選び方がありますが、家庭で楽しむなら、まずは点てやすさと飲みやすさを優先して大丈夫です。
『教養としての茶道』では、夏は口の広い平茶碗やガラスの茶碗で涼しさを感じてもらい、冬は抹茶が冷めにくい筒茶碗で温かさを感じてもらう、といった季節の取り合わせが紹介されています。
- 毎日使うなら:口が広く、内側を洗いやすいもの
- 泡を立てやすくしたいなら:茶筅を振る余白があるもの
- 季節感を楽しむなら:夏は浅め、冬は深めを目安に
茶の湯の道具として見ると、薄茶には季節の絵柄の茶碗、濃茶には格の高い無地の茶碗が使われることが多い、と同書では説明されています。家庭での一服に厳密な決まりとして考える必要はありませんが、絵柄や質感を見る楽しみにつながります。
陶器・磁器・ガラスの違い
素材によって、持ったときの印象や手入れのしやすさが変わります。迷ったら、使う場面を思い浮かべながら選んでみてください。
| 素材 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 陶器 | 土の質感があり、手に温かみを感じやすい | ゆっくり味わう一碗、季節感を楽しむ時間 |
| 磁器 | 表面がなめらかで、汚れが残りにくいものが多い | 日常使い、色を見やすくしたいとき |
| ガラス | 涼やかな見た目で、抹茶の緑が映える | 夏の一碗、冷たい抹茶 |
陶器は吸水性のあるものもあるため、使う前に軽く湯を通し、使った後はよく乾かすと安心です。磁器は日常使いに取り入れやすく、白い器なら抹茶の色合いも見やすいでしょう。ガラスは耐熱性が製品によって異なるため、表示を確認してから使ってください。
楽茶碗は、手で形をつくるため、わずかないびつさや温かみが表情になります。『教養としての茶道』では「一楽二萩三唐津」という言い習わしも紹介されていますが、家庭で選ぶときの決まりではありません。あなたの手になじむかどうかを、まず大切にしてよいと思います。
茶の湯では「正面」も大切にされます
茶碗には、亭主が客に向ける「正面」があります。茶席では、その正面を避けるように茶碗を少し回していただく作法が伝えられています。
これは裏千家の一例で、流派・稽古場・茶会によって細かな扱いは異なります。理由をもう少し知りたい方は、茶碗を回す理由の記事も参考になります。
合わせて用意すると点てやすい道具
抹茶茶碗に加えて、茶筅、茶杓、抹茶をふるう道具があると、味や口当たりが安定しやすくなります。最初に何をそろえればよいか迷う場合は、抹茶スターターキットの選び方も見てみてください。
ICHIZENでは、京都・宇治の抹茶を、京都府井手町で4代続く茶問屋・脇本常香園が選定・精製し、超微細で均一な粉末に機械粉砕しています。器の底や茶筅の動かしやすさを整えると、粉の細かさも一碗の口当たりに生きてきます。
長く使うための手入れ
使い終わったら、抹茶が乾く前にぬるま湯でやさしく洗います。洗剤を使う場合は香りの強いものを避け、茶碗の風合いを見ながら手洗いするとよいでしょう。
陶器は水分が残りやすいので、布で拭いたあと、すぐにしまわず風通しのよい場所で乾かします。金彩や絵付けのあるもの、作家ものは、食洗機や研磨スポンジを避けるほうが安心です。
まとめ:あなたの手に合う一碗を選びましょう
初めての抹茶茶碗は、口径11〜13cmほど、内側に丸みがあり、茶筅を動かしやすいものを目安にすると選びやすいです。
素材や季節感は、使ううちに少しずつ好みが見えてきます。まずは一碗、あなたの手にしっくりなじむ器で、静かな抹茶の時間を始めてみてください。
よくある質問
抹茶茶碗がないと抹茶は点てられませんか?
専用の抹茶茶碗でなくても点てられます。ただ、口が広く底に丸みのある器のほうが茶筅を動かしやすく、粉が底に残りにくいです。
抹茶茶碗とご飯茶碗は同じですか?
日本語ではどちらも茶碗と呼ばれますが、抹茶茶碗は茶筅を振るために口が広く、内側に余白がある形が多いです。
抹茶茶碗は夏と冬で変えたほうがいいですか?
必須ではありません。夏は口の広い浅めの茶碗やガラス、冬は深めや筒形を選ぶと、見た目や手触りで季節感を楽しめます。
初心者は高価な茶碗を買うべきですか?
最初から高価な茶碗を選ぶ必要はありません。口径、底の丸み、重さ、洗いやすさを見て、日常で無理なく使える一碗を選ぶのがおすすめです。
参考文献
竹田理絵『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』自由国民社、2021年、p.118–119、p.141–142、p.187–189、p.218–219。
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